MOMOYA

桃屋TVCM009-1960-貫一お宮



時間:60秒
商品名:江戸むらさき
制作年:1960年
広告主:桃屋
広告会社:読売広告社
制作会社:TCJ

満月の輝く、松林の並ぶ海岸。そこに現れる、学帽に詰襟の男性と、日本髪に着物を纏った女性。BGMに流れる「熱海の海岸散歩する、貫一お宮の二人連れ」という歌詞からわかるように、尾崎紅葉作の長編小説『金色夜叉』のパロディー。途中、涙しながら佃煮入りのご飯を食べるお宮が「千年も万年も、このおかずで食べたいわ。ねえ、武男さん」と発言。これは徳富蘆花作の家庭小説『不如帰』のパロディーで、登場人物浪子の台詞「武男さん」、逗子海岸の場における「生きたいわ、千年も万年も生きたいわ」をもじったもの。続く貫一の台詞には『金色夜叉』の名台詞「来年の今月今夜(中略)、僕の涙で必ず月は曇らしてみせる」を引用。文学知識をユーモアの基盤に、二つの明治文学をパロディーとして合体させた作品。

ラベル: